構造物診断士制度とは

  1. (1) 構造物診断士は、どなたでも受験できます。

    この制度は、当協会における技術委員会活動をベースとした協会内資格制度としてスタートしましたが、第7回の認定試験から一般公開試験にしました。

  2. (2) 構造物診断士には、一級構造物診断士と二級構造物診断士の2種類があります。

    一級構造物診断士は、技術士、コンクリート診断士、土木鋼構造診断士、コンクリート構造診断士あるいは一級建築士の有資格者を対象とし、土木構造物の維持管理、経年劣化、耐久性等に関する点検、調査、診断および診断結果に基づく補修・補強・改修等の計画・設計、施工計画、施工および施工管理を実施・指導する総合的技術を有する実務経験者に付与します。
    二級構造物診断士は、維持管理計画に基づき、土木構造物の経年劣化、耐久性等に関する点検・調査業務を実施し、事後の診断、補修・補強・改修等の計画、設計等に必要な情報を示せる技術をする実務経験者に付与します。

  3. (3) 認定試験は筆記試験で行なわれます。

    認定試験は、主に当協会編集のテキストに収録された鋼構造物およびコンクリート構造物における前項に記載された技術に関する問題が出題されます。

  4. (4) 一級構造物診断士は、面接試験も行います。

    一級構造物診断士は、筆記試験の合格者に対して面接試験を行ったうえで合否を審査します。

  5. (5) 登録の有効期限は4年間です。

    認定試験の合格者は「構造物診断士名簿」に登録されることで資格が付与されますので、登録には申請を行なわなければなりません。資格が付与されると「認定証」と「登録証」が発行されます。
    「登録証」には4年の有効期限が明記されています。登録を継続するためには4年毎に登録の更新をしなければなりません。登録更新のための申請書は、有効期限前に協会事務局より認定者へ郵送されます。
    なお、維持管理分野は技術的な変革期にあることを勘案して登録の有効期間中に当協会などが開催する講習会、技術・研究発表会、共同研究等の研修会に参加して、関連技術を修得することが義務付けられています。
    登録更新のためには、これらの研修会に参加して合計4単位以上の履修単位を取得しておかなければなりません。

  6. (6) 再登録制度

    登録更新をしなかった方は、有効期限の到来と同時に登録が失効いたします。ただし、再登録を希望される方は、その旨を構造物診断士委員会へ願い出ることにより、審査のうえ再登録に対する裁定がなされます。

日本構造物診断技術協会は、1987年に発足以来、土木構造物の点検、調査、診断、補修・補強の設計・施工に関する技術の向上、普及を目指して種々の活動を推進してまいりました。これらの活動の一環として、当該分野における有用な技術者を育成することも大きな使命であるととらえ、協会内制度ではありましたが平成13年8月に構造物診断士制度を創設し、認定試験を実施してまいりました。

しかし21世紀に入り、わが国では高度成長期に大量に建設された諸施設が集中的に更新時期を迎えることになり、これに対処するための総合的で効率的な維持管理システムの構築が切望されています。この種のシステムの運用に当っては、既存構造物の資産管理の視点から信頼に足る専門技術者の育成とレベルの向上が不可欠となっております。

そこで土木構造物を総合的に維持管理できる診断士をさらに広く有効に活用していただくために、公開試験制度にいたしました。

  1. (1) 構造物診断士は、実務経験豊富な土木構造物の町医者を目指しています。

    土木構造物に異常を感じたときには、最初の処置が重要です。医療分野において町の個人医が受け持つ大切な役割と同様に、実務経験豊富な頼りにされる診断士を目指しています。

  2. (2) 構造物診断士は、鋼とコンクリートからなる土木構造物を総合的に診断します。

    土木構造物の主要な構造材である鋼とコンクリートについて、いずれの構造材でも適切に診断できるよう実務経験と研修を積んでいます。

  3. (3) 構造物診断士は、相互の有機的なネットワークを生かします。

    土木構造物は、用途、環境、構造形式等による多様性を有しています。必要に応じて協会内外のスペシャリストと連携して、施設管理者に対して信頼度の高いコンサルティングサービスを提供します。

  4. (4) 構造物診断士は、最新の維持管理技術の修得に努めています。

    構造物診断士は、協会活動を通じて土木構造物の調査・診断・補修・補強に関する最新情報の修得に努めています。

  5. (5) 構造物診断士は、「土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル」を熟知しています。

    独立法人土木研究所と共同で著述した「非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル」に基づく調査診断技術を修得しています。

業務分担表

構造物診断士制度規則

一般社団法人 日本構造物診断技術協会
平成13年 9月10日制定
平成14年 8月 5日一部改正
平成17年 7月26日一部改正
平成18年 7月25日一部改正
平成19年 7月24日一部改正
平成23年 6月20日一部改正
平成24年 7月31日一部改正
平成25年 7月30日一部改正
平成27年 2月 2日一部改正
平成28年11月11日一部改正
  1. (目的)

    第1条

    本規則は、コンクリートあるいは鋼材で構成される土木構造物の維持管理業務にともなう点検・調査、診断、補修・補強・改修等の計画、設計、施工計画、施工および施工管理等に携わる技術者に関する規準を定め、資格を付与し、その技術力の向上を図るとともに、信頼性の高い事業活動を推進することにより、社会基盤の機能維持と性能向上に寄与することを目的とする。

  2. (資格)

    第2条
    1. 1.構造物診断士制度が定める資格は、コンクリートあるいは鋼材で構成される土木構造物の点検・調査、診断、診断結果に基づく補修・補強・改修等を計画・実施・管理・指導する能力を有する技術者とする。
    2. 2.構造物診断士制度が定める資格は、本規則に基づき当協会が実施する構造物診断士認定試験(以下認定試験)に合格し、かつ、構造物診断士名簿に登録された者に対し、登録の有効期間中に付与する。
    3. 3.構造物診断士制度による資格は、次の2種類とする。
      1. (1) 一級構造物診断士
      2. (2) 二級構造物診断士
    4. 4.一級構造物診断士は、土木構造物の維持管理、経年劣化、耐久性等に関する点検、調査、診断および診断結果に基づく補修・補強・改修等の計画、設計、施工計画、施工ならびに施工管理を実施・指導する総合的技術を有する者に付与する。
    5. 5.二級構造物診断士は、維持管理計画に基づき、土木構造物の経年劣化、耐久性等に関する点検・調査業務を実施し、事後の診断、補修・補強・改修等の計画、設計等に必要な情報を的確に示せる技術を有する者に付与する。
  3. (受験資格)

    第3条
    構造物診断士の認定試験を受けようとする者は、次に該当する者でなければならない。
    構造物診断士の受験資格
    受験資格保有している資格
    または学歴
    実務経験年数試 験
    指定学科
    卒業後
    指定学科以外
    卒業後
    筆記面接
    一級構造物診断士
    • 下記のいずれかの資格を保有
    • ● 技術士
    • ● コンクリート診断士
    • ● 土木鋼構造診断士
    • ● コンクリート構造診断士
    • ● 一級建築士
    • ● 二級構造物診断士
    大学、大学院 4年以上 5年以上
    短期大学、高等専門学校
    専修学校(2年制以上)
    6年以上 7年以上
    高等学校 8年以上 9年以上
    上記以外 10年以上
    二級構造物診断士
    • 下記のいずれかの資格を保有
    • ● 技術士
    • ● コンクリート診断士
    • ● 土木鋼構造診断士
    • ● コンクリート構造診断士
    • ● 一級建築士
    • ● コンクリート主任技士
    • ● コンクリート技士
    • ● 1級土木施工管理技士
    大学、大学院 2年以上 3年以上
    短期大学、高等専門学校、
    専修学校(2年制以上)
    3年以上 4年以上
    高等学校 4年以上 5年以上
    上記以外 6年以上

    ※「指定学科」とは、土木・建築系の学科とする。「実務経験」とは、土木構造物の維持管理、経年劣化、耐久性、補修・補強・改修等に関わる業務において、技術者(補助者を含む)として直接関わった点検、調査、診断、計画、設計、施工、施工管理等のいずれかの職務経験をいう。なお、建設現場での単なる雑務や単純な労務作業、事務系の仕事に関する経験は該当しない。また、実務経験年数は筆記試験前日までで計算してよい。大学院で鋼構造、コンクリート構造またはプレストレストコンクリート構造に関する研究を行った者は,その期間を実務経験とみなしてよい。

  4. (認定試験)

    第4条
    1. 1.認定試験は筆記試験にて行う。ただし、一級構造物診断士の受験者については筆記試験の合格者に対して面接試験を行う。
    2. 2.認定試験は原則として毎年1回行う。
    3. 3.一級構造物診断士の合否判定基準は、各種の点検・調査ならびにその計画・実施に関する知識、診断および診断結果に基づく補修・補強・改修の設計・施工等に対応できる総合的な技術力と関連する実務経験を有しているか否かを原則とする。
    4. 4.二級構造物診断士の合否判定基準は、各種の点検・調査ならびにその計画・実施に関する知識と実施能力および関連する実務経験を有しているか否かを原則とする。
    5. 5.認定試験の申込みにあたっては、別に定める受験料を納めなければならない。
  5. (合格者の発表)

    第5条
    前条の認定試験の結果については、直接本人に通知する。
  6. (登録)

    第6条
    1. 1.認定試験に合格した者は、別に定める登録受付期間に所定の申請書を用いて登録の申請を行い、構造物診断士名簿に登録されたときに資格が付与される。
    2. 2.登録の申請は、別に定める登録料を納付し、受験票を添付して行なう。
    3. 3.登録事項は、氏名、生年月日、本籍地、住所、勤務会社名、勤務先所在地、資格の種類、登録番号、登録年月日、登録有効期限、その他、別に定める事項とする。
    4. 4.認定試験の合格者は、合格した年を含めた4年の間は、年毎に定められた登録受付期間であれば登録の申請を行なうことができるが、登録されていない期間は「構造物診断士」の称号を用いることはできない。
  7. (認定証および登録証)

    第7条
    1. 1.構造物診断士名簿に登録された者に対しては、「認定証」およびに登録の有効期限を明示した「登録証」を交付する。
    2. 2.登録の有効期間中に「認定証」および「登録証」を紛失した者は、別に定める再交付料を納付し、所定の手続きを行うことで「認定証」および「登録証」の再交付を受けることができる。
  8. (登録の有効期限)

    第8条
    登録の有効期限は、構造物診断士名簿に登録された年から4年間とし、その後は第10条の定める手続きにより4年毎に更新することができる。
  9. (登録更新)

    第9条
    1. 1.登録の更新を受けようとする者は、有効期限最終年の登録受付期間に、登録更新の申請を行なわなければならない。
    2. 2.登録更新の申請は、協会事務局より送付される申請書を用いて行うものとする。
    3. 3.登録の更新を受けようとする者は、登録の有効期間内に、次項に示す研修を受講し4単位以上を取得していなければならない。
    4. 4.前項で定める研修の履修単位は以下のとおりとする。
      1. (1) 当協会が定期的に開催する「技術・研究発表会」の参加は2単位とする。
      2. (2) 当協会が開催する、その他の講演会・研修会・研究発表会等の単位は、個別に定め、開催案内とともに通知する。
      3. (3) 他団体が開催する維持管理技術に関する研修会で、構造物診断士委員会が認めたものについては、該当する研修会の開催前に同委員会が協議して決定した単位とする。
    5. 5.前項の(1)から(3)に定める研修を履修したことによる単位を取得していない場合、構造物診断士委員会が認めた者についてはレポートを提出することにより研修単位の取得に代えることができる。
    6. 6.前項に定めるレポートの課題は構造物診断士委員会において協議の上決定し、前項の定めに該当する者へ直接通知することとし、提出されたレポート1篇に対し2単位を与える。
  10. (登録の失効)

    第10条
    前条による登録の更新を申請しなかった者は、有効期限の満了と同時に登録は失効し、第11条により再登録するまでは、構造物診断士の称号を用いることはできない。
  11. (再登録)

    第11条
    1. 1.前条により登録が失効した者は、構造物診断士委員会に構造物診断士名簿への再登録希望を申請し、審査を受けることで再登録することができる。
    2. 2.再登録による登録有効期限は、再登録した年から4年間とし、その後は第9条の定めによる。
    3. 3.登録の失効期間が4年を超えた場合は、再登録の申請はできない。
  12. (登録手数料)

    第12条
    構造物診断士の登録、登録更新、再登録の申請に当たっては、別に定める登録料を納めなければならない。
  13. (報告の義務)

    第13条
    1. 1.構造物診断士の資格を付与された者は、登録の有効期間中に、付与された各々の資格を用いて実施した本規則第1条に示す各業務を、業務経歴として更新登録時に当協会事務局に報告しなければならない。ただし、該当構造物の管理者から守秘義務を求められている場合は、その限りではない。
    2. 2.構造物診断士名簿に登録されている者は、本規則第6条第3項で定める登録事項に変更があった場合は、書面により変更事項を速やかに事務局に届け出なければならない。
  14. (構造物診断士審査委員会)

    第14条
    1. 1.構造物診断士の認定試験の合否判定およびそれに関わる事項は、構造物診断士審査委員会がこれに当たる。
    2. 2.構造物診断士審査委員会の委員は、当協会の役員、委員、および必要に応じて当協会外の学識経験者等、それぞれの若干名をもって構成する。
    3. 3.委員の任期は2年とする。ただし、理事会が必要と認めた場合は、4年以内に限り再任することができる。
    4. 4.審査委員については、その性質上、公表しないし、委員自らも公言してはならない。
  15. (構造物診断士委員会)

    第15条
    1. 1.構造物診断士の認定試験の実施、試験結果の取りまとめは、構造物診断士委員会がこれに当たる。
    2. 2.構造物診断士委員会は、当協会の法人正会員の技術社員および個人正会員の若干名をもって構成する。
    3. 3.委員の任期は2年とし、その再任は妨げない。
    4. 4.試験問題作成担当委員は、その性質上、公表しないし、委員自らも公言してはならない。
  16. (委員長・委員の選任)

    第16条
    構造物診断士審査委員会および構造物診断士委員会の委員長・委員は、理事会に推薦された者を当協会の代表理事が任命する。
  17. (構造物診断士会)

    第17条
    構造物診断士名簿への登録を申請する者は、別に定める会則により運営される「構造物診断士会」に入会しなければならない。
  18. (罰則規定)

    第18条
    構造物診断士委員会は、構造物診断士がその業務の遂行にあたって不正または著しく不当な行為をしたことを確認した場合、構造物診断士委員会において資格を抹消する等の処置を協議、決定し、登録を取り消したときは遅滞なくその理由を付して登録を取り消された本人に通知する。
  19. (細則)

    第19条
    この規則に定めるもののほか、この制度の実施に必要な事項は別に定める。
  20. (変更)

    第20条
    この規則を変更する場合は、構造物診断士審査委員会または構造物診断士委員会が発議し、理事会の承認を必要とする。

付則

  1. (登録証の携行)

    第1条
    「構造物診断士」は、その資格のもとに業務を行うとき、常に「登録証」を携行し、「登録証」の提示を求められた場合は、これに応じなければならない。
  2. (資格の標記)

    第2条
    1. 1.「構造物診断士」は、必要に応じてその資格を名刺等に標記することが出来る。ただし、その標記方法は、各々の資格に従い「日本構造物診断技術協会一級構造物診断士」若しくは「NSI一級構造物診断士」あるいは「日本構造物診断技術協会二級構造物診断士」若しくは「NSI二級構造物診断士」とする。
    2. 2.各資格の英語標記は次の通りとする
      1. (1) 一級構造物診断士 ... Structural diagnosis consulting engineer, NSI
      2. (2) 二級構造物診断士 ... Associate Structural diagnosis consulting engineer, NSI
  3. (諸費用の取り扱い)

    第3条
    本規則で定めるところの諸手続きに要する費用として納付されたものは、如何なる理由によっても返還しないものとする。
  4. (資格の付与)

    第4条
    当協会の代表理事は、第2条第2項の規定に関わらず、以下の条件の全てを満たした技術者に対し「構造物診断士」の資格を付与することができる。
    1. 1.構造物診断士委員会が推薦する者。
    2. 2.構造物診断士審査委員会が「構造物診断士」の称号に相応しい能力と経験を有すると判定した者。
  5. (実施期日)

    第5条
    この規則は平成13年9月10日に発効し、平成28年11月11日に以下の項目を改正したものである。
    1. (受験資格)第3条において、一級構造物診断士、二級構造物診断士の受験資格を見直した。
構造物診断士会ホームページ
一般社団法人 日本構造物診断技術協会
〒160-0023
東京都新宿区西新宿6-2-3
新宿アイランドアネックス 307号室
TEL/FAX 03-3343-2651
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