技術コラム #05|コンクリートの劣化機構についての豆知識(その5)
今回は、コンクリート構造物の再劣化を引き起こす要因のひとつであるマクロセル腐食について解説する。コンクリート構造物中の鉄筋には、コンクリートの強アルカリ性により形成された数ナノメートル(1ナノメートル=10-9m)の極めて薄い不動態皮膜に覆われており、鉄筋腐食が抑制されている。しかしながら、コンクリート中に塩化物イオンが浸入すると不動態皮膜が破壊され、腐食が始まる。コンクリート中の塩化物イオンの鋼材腐食発生限界濃度は不動態皮膜が破壊される塩化物イオン濃度であり、コンクリートの使用材料や配合、含水状態等に影響されるが、コンクリート体積あたりの質量で1.2〜2.5㎏/m³程度の範囲にあるとされている。また、二酸化炭素の浸入によってコンクリートが中性化するとpHが低下し、これによっても不動態皮膜が破壊され腐食が始まる。