日本構造物診断技術協会(NSI協会)について
日本構造物診断技術協会(NSI協会)は土木構造物の、調査・診断/補修・補強技術の向上と、その普及をめざして、協会の活動を通し広く社会に貢献する団体です。
協会について
協会の目的
当協会は、鋼構造物とコンクリート構造物の両分野の診断、補修、補強の専⾨家であり、⻑年の実務経験による豊富な知識と技術を有する技術者で構成する構造物診断⼠会の有資格者組織を
併設しており、市町村の橋梁を管理する担当技術者や⺠間技術者に対して調査・点検・診断の実践研修・訓練等の⽀援を⾏うほか、
⼟⽊構造物の調査・診断/補修・補強技術の向上とその普及を⽬指し、協会の活動を通して広く社会に貢献する団体です。
当協会では、構造物の 調査・診断/補修・補強に関する、以下のことを行っています。
1. 最新技術の調査・研究
2. 総合システムの研究・開発
3. 測定機器の調査・研究・開発
4. 信頼される技術者の育成
5. 関係諸団体との技術交流
協会の活動内容
技術・研究発表会をはじめ、補修現場研修会などを積極的に展開し、外部機関との共同研究など、技術支援も行っています。
1. 技術・研究発表会(会員会社の研究成果の発表)
毎年秋に技術・研究発表会を開催し、維持保全に関する技術の研究、開発、業務改善などに ついて会員各社が論⽂発表をするほか、著名な⽅による特別講演も⾏います。優秀論⽂発表者には野尻賞が授与されます。
技術・研究発表会の様子
技術・研究発表会の様子
2. 若⼿技術者育成研修会、現場研修会の開催(会員技術者の育成)
会員会社の若⼿技術者を対象に、鋼構造物とコンクリート構造物に関する材料、構造⼒学、 点検⽅法、損傷事例、損傷原因、補修・補強⽅法の基本的な内容を各専⾨分野の講師が講義し、 さらに理解を深めるために、鋼構造物とコンクリート構造物の点検機器の扱い実習、補修・補強⼯事がなされた既設橋梁の現場踏査を通じた研修を実施しています。 また、会員を対象に現場研修会を開催し、実物を⾒ながら構造物の管理状況、健全度、対策の 具体について理解し、参加者の技術的知識の充実を図っています。
若手技術者育成研修会/講義風景
若手技術者育成研修会/デモ風景
現場研修会の様子
現場研修会の様子
現場研修会の様子
現場研修会の様子
3. ⼀級・⼆級構造物診断⼠の資格認定
4. ⼟⽊研究所等外部機関との共同研究
5. 地⽅⾃治体等への外部講師派遣、技術連携
6. 技術・研究発表論⽂集の定期発⾏
7. 会報の定期発⾏
8. 海外技術⽂献の翻訳、紹介
協会代表よりご挨拶
一般社団法人 日本構造物診断技術協会(以下NSI協会)は1987年に設立してから、土木構造物を中心とした維持管理に関わる点検、調査、診断および補修、補強等の技術開発・普及ならびにそれらに携わる専門技術者の技術力の向上、若手技術者の育成等の多方面での活動をしてまいりました。 我が国ではインフラの老朽化が加速する中、国は持続可能なインフラメンテナンスを実現することが極めて重要と考えています。道路関連では2012年12月に発生した「笹子トンネル天井板崩壊事故」を契機に道路法を改正し、危険な損傷を発見し迅速に対策を講じるため、全国の橋梁やトンネルに5年に一回の頻度で近接目視点検することを義務付けました。さらに、厳しい財政状況を踏まえ、従来の事後保全型の維持管理から損傷が軽微な段階で対策を講じる予防保全型の維持管理に転換することを推進しています。 また、橋梁点検の効率化や精度向上を目的にドローンやロボット等を用いた点検支援技術の開発、AI技術を活用した道路橋診断の効率化に関する研究開発、DX推進の一環として「全国道路施設点検データベース~損傷マップ~」の公開などを進めています。 このような維持管理を取り巻く状況の中において、現場で必要とされる技術的な判断として、緊急に対策が必要な損傷と判断できること、損傷の発生・進行のメカニズムが説明できること、損傷の進行予測ができること、期待する性能が維持できる対策が提示できること、再劣化した損傷への対処方法が提示できることなどが求められています。これらの判断には高度の専門的知識が必要であり、土木構造物を構成する材料の特質、構造的な特性、環境状況が構造物に与える影響、発生している損傷の劣化メカニズムや対策工法の特質などを正確に理解していることが求められます。 NSI協会では土木構造物の維持管理に必要な技術力を持つ方を「構造物診断士」として認定する資格制度を2001年に発足させ、2015年に国土交通省の技術者登録資格となりました。認定させていただいた方々は、鋼構造、コンクリート構造の両方に専門的な知見をもっておられ、土木構造物を総合的に診断できる方々であります。 点検の結果見つけられた損傷に対する検討が全国各地で進められており、構造物診断士が活躍する場面はさらに広がっていくものと考えています。さらに多くの方々がこの資格を保有され維持管理の現場で活躍されることを期待します。 また、NSI協会では2019年にインフラの維持管理に従事されている方々の相談窓口として技術アドバイザー室を開設いたしました。構造物診断士の方々で組織されている「構造物診断士会」の方々に「身近な橋のお医者さん」として対応いただいております。維持管理の現場でお困りになられていることがございましたらご活用ください。 現在、土木構造物の維持管理の現場では、発生した損傷の原因や進行のメカニズムが説明できないものや、対策を講じたにもかかわらず短期間で再劣化した事例が見られるなど、まだ様々な課題が残されています。NSI協会では土木構造物を中心とした維持管理に関する様々な課題に対する諸検討を進めるとともに、新しい点検・診断技術、補修・補強技術の開発、普及に努め、安心・安全で持続可能な社会の構築に貢献していきたいと考えております。 今後ともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 令和4年9月8日
一般社団法人 日本構造物診断技術協会 代表理事 松村 英樹
会員リスト 法人正会員(五十音順) 2024年9月現在
総合建設業グループ
鹿島建設株式会社/
飛島建設株式会社/
ピーエス・コンストラクション株式会社/
株式会社 フジタ/
三井住友建設株式会社/
株式会社 横河ブリッジ
専門工事業グループ
エスイーリペア株式会社/
株式会社 エステック/
カジマ・リノベイト株式会社/
北沢建設株式会社/
ショーボンド建設株式会社/
株式会社 ナカボーテック/
日本防蝕工業株式会社/
ライト工業株式会社
PC建設業グループ
株式会社 安部日鋼工業/ 川田建設株式会社/ 日本サミコン株式会社/ 株式会社 富士ピー・エス
鋼構造物建設業グループ
コンサルタントグループ
青葉コンサルタント株式会社/
株式会社 オリエンタルコンサルタンツ/
株式会社 キタック/
株式会社 土木技研/
株式会社 福建コンサルタント/
八千代エンジニヤリング株式会社/
リテックエンジニアリング株式会社/
建設資機材業グループ
会員リスト 個人正会員(五十音順) 2024年9月現在
個人正会員
青景 平昌 / 浅倉 優介 / 池田 茂 / 内田 明 / 小野辺 良一 / 野永 健二 / 藤原 貴央 / 松村 英樹
沿 革
日本構造物診断技術協会は、1987年発足以来、診断・補修技術の向上、普及の場として活動してきました。毎年恒例となった技術・研究発表会を始め、各種委員会活動、海外調査派遣、補修現場見学会などを積極的に展開するだけでなく、外部機関との共同研究などの技術支援も行っています。
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1987年
8月
- 会員数13社にて日本構造物診断技術協会設立発足
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1988年
11月
- 第1回技術・研究発表会開催
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1989年
9月
- 第1回海外調査団派遺(フランスをはじめ、ヨーロッパ4ヶ国訪問)
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11月
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シンポジウム「アメリカにおける最新の構造物診断補修技術」を
アメリカ土木学会と共同開催
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1990年
5月
- 技術分科会に5つの専門作業部会設置
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10月
- 第2回技術・研究発表会開催
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1991年
9月
- 「補修・補強システム(調査・診断・工法・材料)便覧」発行
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11月
- 第1回補修現場研修会開催(沖縄県)
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1992年
7月
- 土木研究所との共同研究開始
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10月
- 「橋梁 補修・補強工法事例集」発行
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1993年
4月
- 土木研究所との共同研究 平成5年度継続
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10月
- 「FIPシンポジウム’93京都」技術展示会に出展
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1994年
4月
- 土木研究所との共同研究 平成6年度継続
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7月
- 日本道路公団試験研究所「非破壊検査研究会平成6年度テーマ」へ協力開始
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1995年
4月
- 土木研究所との第2次共同研究開始
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9月
- 第4回海外調査団(オーストラリア、ニュージーランド訪問)
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1996年
4月
- 土木研究所との共同研究 平成8年度継続
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- 第3回補修現場研修会開催(東京都、神奈川県)
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1997年
4月
- 土木研究所との共同研究 平成9年度継続
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1998年
5月
- 設立10周年記念式典開催(神戸市)
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- 設立10周年記念史発行
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1999年
2月
- 第1回技術セミナー(土木研究所との共同研究報告)開催
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3月
- 「橋梁 補修・補強工法事例集(第2集)」発行
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1月
- 「補修・補強システム(調査・診断・工法・材料)便覧(改訂版)」発行
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2000年
4月
- 土木研究所との第3次共同研究開始
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2001年
8月
- 構造物診断士制度発足
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2002年
6月
- 「橋の診断と補修」翻訳、出版
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10月
- 「fib大阪コングレス2002」技術展示会に出展
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2003年
3月
- 協会ホームページ開設
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8月
- 土木研究所との第3次共同研究報告書完成
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10月
- 「非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル」(土木研究所と共著)出版
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2004年
6月
- 「非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル」に関する講演会開催(東京)
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2005年
2〜11月
- 「非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル」に関する講演会開催 (2月 仙台、 5月 福岡、 8月 大阪、 11月 名古屋)
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7月
- 「調査・診断・補修・補強に関する技術紹介および事例集」発行
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2006年
5〜10月
- 「非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル」に関する講演会開催 (5月 新潟、 10月 那覇)
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2007年
9月
- 設立20周年記念式典開催(東京)、設立20周年記念史発行
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10月
- 「非破壊試験を用いた土木コンクリート構造物の健全度診断マニュアル」に関する講演会開催 (札幌)
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2009年
10月
- 一般社団法人化
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2015年
1月
- 国土交通省の「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」において一級構造物診断士と二級構造物診断士がコンクリート橋と鋼橋の「点検」区分で登録される
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2016年
2月
- 国土交通省の「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」において一級構造物診断士がコンクリート橋と鋼橋の「診断」区分で登録される
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2017年
8月
- 創立30周年記念史発行
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2019年
4月
- ホームページに「橋の診断と補修」掲載(会員限定)
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9月
- 技術アドバイザー室 開設
組 織
組織図
理事会(敬称略、役職毎五十音順)2024年11月現在
株式会社 松村技術士事務所
代表取締役
技術理事
土木構造グループ 専任部長
設計本部長 兼 計画本部長
公 告
定款・細則
入会について
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